「地方でのんびりとした生活に憧れるけど、そこで一人で暮らすとなるとちょっと不安…」
そんな風に感じている人は多いのではないでしょうか?
特に都市部から地方への移住は、環境の違いや生活スタイルの変化が大きく、なかなか一歩を踏み出すのに躊躇しちゃいますよね。
地方での一人暮らしには、多くのメリットとデメリットが存在しますが、3年前に長野県にUターン移住し田舎暮らしを始めた私が実際に経験したリアルな日常をもとに、移住の成功ポイントや失敗しないための準備やマインドについて解説します。
また、支援制度や補助金、求人情報のリアルなど、移住に役立つ具体的な情報も盛り込んでいますので、移住を検討している方にはぜひ参考にしていただければと思います。
自然と共に生きるライフスタイルの魅力についても触れながら、地方での理想の暮らしを一緒に考えていきましょう!
体験してわかった、地方移住5つのメリット
ここでは、地方移住して一人暮らしを実践している私が、実際に体験して感じた5つのメリットを整理してお伝えします。
単身での移住にはどんな良いことがあるの?と気になっているなら、ぜひ下記5つのメリットをお読みください。
フットワークが軽い
単身移住での圧倒的なメリットは、フットワークの軽さです。
【引っ越し】一時的な移動
【移住】永住する意思のある移動
というのがざっくりとした定義のようですが、単身移住は私の感覚では引っ越しとほぼ変わりませんでした。
移住先、タイミング、仕事との兼ね合いなどなど、全て自分の都合で決められます。
その移住先やライフスタイルが気に入れば永住の選択肢もありますし、想像と違ったのであれば戻ることも別のエリアに移ることもできます。せっかく再就職したのに簡単には移れないのであれば、その地域内で引っ越せばいいのです。
ただし、これがファミリーでの移住となると、配偶者の意見や仕事、こどもの学校や教育サービスの有無などなど、ある程度の「意思」を持たないと難しいというのは容易に想像できます。
また、私の移住先はよくある地方の車社会。
普段から車移動・車通勤ですが、都市部のような渋滞も少なく、維持費はかかりますがその分時間に縛られず自由に動けるメリットは大きいと感じています。
金銭的な余裕が生まれる
地方は生活費が都市部に比べて安いと実感しています。
私が住んでいる地域の家賃相場は単身者用で6万円前後です。(都内に住んでいた頃の家賃が9.8万円でした。)
また都内在住時にはよく会社終わりに同僚と飲みに行ったものですが、車通勤ですのでそれらも当然なく、そもそもお店も少ないことから外食費がかなり減りました。
自治体ごとの支援制度を活用することでさらに金銭的な負担を減らすことができますね。
私は移住支援制度などを事前に全く調べておらず、申請期間を過ぎてから知ったためその恩恵を受けることはできませんでした…
ぜひ事前に調べ、自治体に問い合わせるなどして移住支援金などの恩恵をもれなく受けてください!
ちなみにですが、車社会というのは一家に一台ではなく、一人一台の世界。
パートナーがいると単純に車2台分の費用がかかりますので、その点でも単身移住のメリットと言えるのではないでしょうか。
都会の喧騒はなく自然も近いため心が休まる
地方の最大の魅力は、やはり自然が身近にあること。
山や湖、川などの自然環境に囲まれた生活は、ふとした習慣にストレスから解放されます。
私の場合は、近くに湖があるので、週末はのんびり自然を感じに行きますよ。
また、四季の移り変わりを五感で感じることができるのも地方ならではかなと思っています。
都市部では意識しなかった季節の変化が、ここでは日々の暮らしに直結しています。
こうした環境が心に与える影響は計り知れないのではないでしょうか。
日々、強制的に視界に入ってくる景色は、ビル群や人混みではなく山や湖などの自然。
都内にいた頃は寒い暑いという変化でしか季節を感じていなかったように思います。

時間に余裕が生まれる
私が都内に住んでいた頃は、通勤に片道1時間30分かかっていました。
電車内はいつも混雑していて、ストレスを感じることが日常でした。
しかし、現在は約30分の車通勤。
その道中の車内は完全にパーソナルスペースです。自然の風景を楽しむことができるようにもなりました。
これは、日常の質を大きく向上させていると実感しています。
通勤時間が短縮されたことで、新たに生まれた時間は完全に自分時間に充てられますので、くつろぎ時間にするも良し、趣味の時間にするも良し、自身のスキルアップに使うも良しです。
直接の仕事内容とは関係ない部分ですが、通勤時間の質の向上は、私的な働き方改革になったと感じています!
新たな楽しみを発見できる
都市部は新しい施設やお店、サービスが続々と誕生し、数も把握できないほどなので、娯楽に対して受け身でも充分楽しめますよね。
しかし地方での暮らしは、都市部に比べて娯楽が圧倒的に少ないです。
そのため自ら楽しみを見つける力が求められますが、それが結果として豊かな日常を作り出していると感じています。
受け身ではなく自ら能動的に楽しみを見つけに行くマインドが大切です!
例えば、現在私は自宅の庭で炭を起こして七輪で食材を焼くことにどハマりしています。
人口密度の高い都市部では、人の目もあるし、そもそもベランダで煙出して七輪なんかしていたら通報されかねません。
都内ではできなかった楽しみです。

ちなみに私は全く地域住民の方と交流をしていないのですが、地元のイベントや祭りに参加することで、地域とのつながりも深まって新たな楽しみを見つけたり、その地域の先輩移住者との交流で新しい生き方や興味関心ごとを見つけられる方も多いようです。
体験してわかった、地方移住5つのデメリット
ここでは、私が実際に感じた5つのデメリットを整理してお伝えします。
想定外だったもの、想定はしていたが超えてきたものなど私の体験をもとにしておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
価値観の違いに悩む
地方の方々と価値観や生活スタイルが異なり、そこに大きなギャップを感じることがあります。
もちろん人によるとは思いますが、現状をあまり変えたくないというか、新しいものにはとりあえず拒否反応を示すようなイメージです。また都会のようなスピード感が求められない場面も多くあります。
この価値観の違いはとてももどかしく、私はとても悩みました。
ただ、徐々に地域の文化や習慣を理解し、交流を積極的に行うことで、このギャップは次第に埋まっていきました。
というか… 簡単にいうと慣れます笑
またよく言われる「家の中にご近所さんが勝手に入ってくる」的なこと。
私の地域ではそのようなことは恐らくありません。が、一度 夏の19時頃に配送業者の方が庭の網戸越しに声をかけてきたことがありました。
インターホンを押したけど返事がなかったからとのことでした。。
庭はそれなりに敷地内に入り込んだところにあるため、家事をしている最中に庭側の暗がりから声をかけられたのはかなり怖かったですね。
女性なら恐怖を感じること間違いなしだと思います。
情報感度が下がる(という危機感)
情報感度の高い人が少ないように感じます。
保守的な地域性や比較的閉鎖的なコミュニティのため、そもそも感度を上げる必要性がないことが原因なのかなと推測しています。
都市部にいると感度の高い人と接する機会が多いですよね。
これが、なんとなく漠然とした不安となってきます。
ただ、ネットが普及している現代では、情報は求めれば平等に手に入る時代ですし、近頃ではむしろ自ら価値観を変え意識して感度を下げてしまうというのもアリなのでは?とも思います。
日々あふれる情報から距離をおくことも心の平穏につながるのかもしれません。
都市部暮らしにはなかった費用の発生
地方に移住すると、生活費が下がる一方で、車の購入・維持費や冬場の光熱費など、新たなコストが発生することがあります。
私は現在、古い家(築50年ほど)に住んでいますが、今年の2月某日に寒さのため水道管が破裂。
仕事から帰宅すると庭に水が噴き出ていました。
家の状態によっては、このような改修や断熱対策に多くの費用がかかることがあります。
こうした費用は自治体の補助制度や支援策を活用することで抑えることができる場合もありますので、ダメ元で自治体サイトで調べたり、不明点があれば問い合わせてみるのも有効だと思いますよ!

運動量が減る
地域やライフスタイルにもよりますが、地方での生活は車移動が基本となりますので、歩く機会が激減します。
これはかなり想定外でした。
私は以前、通勤や買い物で1日平均7千歩以上歩いていましたが、移住してからは1日平均で900歩〜多くて3千歩。
これには流石に健康面で不安になってきます。
そのため、私は朝の空いた時間に運動したり、ガソリン代の節約も兼ねて徒歩や自転車で移動できる場所には車のの使用を控えるなど、意識的に体を動かすようにして健康維持を図っています。
仕事の求人情報が少ない
私は仕事を辞め無職の状態でUターン移住しました。
年齢もありますが、想像以上に求人情報が少なく再就職までには時間がかかってしまいました。
移住当初は車の購入を考えていなかったため、この少ない求人情報の中で車通勤をNGにすることで、さらに選択肢が絞られてしまうのでとても悩みました。
結局、現在は車通勤をしています。
仕事は可能なら継続、もしくは予め決めた状態での移住がベストです!
リモートワークが可能な企業を探すのもアリですね。
キャリアの柔軟性が求められますので、起業や新規で副業など、多様な働き方を模索することも大切だと思います。
移住先選びのポイント|一人暮らしの視点で解説
地方移住で最も重要なのが、移住先選びです。
特に一人暮らしの場合、周囲に頼れる家族や知人が少ないことから、生活インフラやアクセスの良さが大切になってきます。
そのため、いきなり人里はなれた場所に移住するのはおすすめしません。
大自然に憧れて移住を検討されている方もいると思いますが、都市部からの移住者にとっては地方都市でさえ徐々に不便さを実感していきます。
適度に便利なエリアを選ぶことがポイントです。
例えば、公共交通機関が整っているか、日用品の買い物ができるスーパーや医療施設が近くにあるかなどは重要な判断材料ですね。
また、その地域の中で、栄えている場所(駅近や高速のインターチェンジ近くなど)もおすすめです。
(駅近であっても車は必要になると思います。)
大学の周辺地域も地域の人が外部の人の出入りに慣れていることからおすすめですね。
私はインター近くで地域の中では比較的栄えている場所に住んでいますが、それでも夜は静まり返り、多少の物音にも敏感になるくらい心細くなります。
ある程度の人の目は防犯的にも有効だと思います。
また、自治体ごとの支援制度や補助金も見逃せません。
手厚い支援や補助を行っている自治体も多くありますので、判断材料の一つになり得ると思います。
地方移住者向けの家賃補助や引っ越し費用の支援など、これらを上手に活用することで初期費用をかなり抑えられますよ。
私の場合、長野県の自然豊かな環境に改めて魅力を感じ移住を決めましたが事前調査をほぼしなかったため、地元の求人情報や通勤事情、支援制度や補助金の有無など、もっと事前に調べておけば、よりリスク低く移住できたのになあと後悔しました。

移住前にわたしがやった事前準備
地方移住に際して、私が実際に行った事前準備を紹介します。
といっても対した準備はしてません。
まず、引っ越しにかかる費用を抑えるため、事前に大型家具は処分しました。
これは運送費が大幅に削減できたと思います。
また、生活費の見通しを立てるため、約1.5年分の生活資金を準備しました。
これは、移住後の仕事が安定するまでの安全策として非常に有効でした。
以上です笑
Uターンとはいえ、実家から車で30分程離れた場所で、地域の方との面識も皆無。
お試しで数日間、現在の家に住んでみるということもしませんでしたし、仕事も決めず無職のまま移住しました。
それでも現状快適に生活しています。
逆に、万全の準備をしていたら今より良くなっていたかと考えても、どの部分で良くなるのか想像ができません。
とにかく単身移住のメリットであるフットワークの軽さを活かして、行動してしまった方が良いと私は思います。
準備や不安はいくらやっても無くなることはありませんから!
準備不足で補助金を受け取れなかったのは悲しいですが、私の場合は補助金があってもなくても移住はしていたので、今となっては「ま、しょうがない」という程度です。
手厚い移住支援金を受けとると、移住を失敗したと判断した時にそれが足枷になって、フットワークの軽さが発揮できない可能性もありますので判断が難しいところですね。
地方移住での一人暮らしは成功か失敗か?考え方次第で答えは変わる
地方移住が成功か失敗かは、考え方次第で大きく変わると思います。
私が感じたのは、柔軟なマインドが成功の鍵であるということです。
都市部の便利さを捨てて自然に囲まれた生活を選ぶ以上、その環境に適応する力が求められます。
成功か失敗かは、近隣や地域の方、仕事や気候などさまざまな角度で判断されると思いますが、一番は「自分がその環境に柔軟に適応できるか」ということかなと思います。
私の場合、車通勤や仕事の選択肢が限られることもありましたが、その分スローライフを楽しむ時間が増え、新たな趣味である七輪にも出会いました。
家は古く冬場はかなり冷え込み、水道管は凍結のため破裂しましたが、自ら修理し今では普通に使えます。この問題を解決したことで不思議と自己肯定感が上がりました。
地方移住を成功させるためには、前向きな姿勢と柔軟な発想が不可欠です。困難に直面したときに、それを成長や生活の質向上のチャンスと捉える心構えが、移住生活を豊かにしてくれます。
車保有の負担をどうやったら減らせるか、壊れた水道管はDIYで直せないか、地方だからこそできる娯楽を探してみよう、など考えていると色々な気付きがあり、それ自体が楽しくなってきますよ。
まとめ
【5つのメリット】
・フットワークが軽い
・金銭的な余裕が生まれる
・都会の喧騒はなく自然も近いため心が休まる
・時間に余裕が生まれる
・新たな楽しみを発見できる
【5つのデメリット】
・価値観の違いに悩む
・情報感度が下がる(という危機感)
・都市部暮らしにはなかった費用の発生
・運動量が減る
・仕事の求人情報が少ない
私の場合、事前準備を綿密にやって移住を実行したわけではありません。
良く言われる地方の濃い人間関係の弊害などの多くは「地域による」としか言えず、移住にはガチャ的要素があるのが実際だと思います。
事前準備や自分ではどうすることもできない外的要因が強くあるのであれば、単身移住のフットワークの軽さを活かしてまずは行動してみるのが一番だと思います!
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