「都会の暮らしに疲れた」「もっと自分らしく、自然と近い場所で生きたい」
そんな想いから、「地方移住 一人暮らし」などのワードで情報を探す人が増えてきました。
特に一人暮らし単身者の場合、思い切った決断もしやすく、柔軟な動きが可能です。
しかし、自由である反面、「孤独」や「現実とのギャップ」によって後悔するケースも少なくないようです。
この記事では、私自身の移住の実体験をもとに、「一人暮らしで地方移住しても後悔しないための実践的なステップ」をご紹介します。
まず「なぜ移住したいのか」を明確にする
「地方移住したい!」という気持ちが盛り上がってきても、目的があいまいなまま進めてしまうと、理想と現実のギャップに悩まされることがあります。
移住を検討するときは、まず立ち止まって自分にこんなことを問いかけてみてください。
- 今の暮らしで「不満」や「息苦しさ」を感じているのは?
- 私の場合:毎日の通勤ラッシュ、人間関係、家賃の高さ、自然の少なさ
- 日常で「これがあったらもっと幸せだ」と思うものは?
- 私の場合:静かな時間、目に飛び込んでくる自然
- 地方でどんな生活を送りたい?地方でやってみたい事は?
- 私の場合:副業、空気の綺麗な環境で散歩、身体が疲れたら地元の温泉へ
- 今のスキルや仕事は移住先でも活かせる?
- 私の場合:PC作業がメインの業務だったのでなんとかなるだろう
- 孤独になったとき、どんな支えや趣味があれば前向きに過ごせる?
- 私の場合:割と孤独に強め、一人飲み系のYouTubeを見ながらお酒を飲む笑
現地へ足を運び暮らしを「解像度高く想像」する
ネット情報だけで地域を決めるのは、実際に暮らしてから「こんなはずじゃなかった…」となるリスクが高いです。
最低でも1度はその地域に生活者目線で訪れて、可能なら数日滞在してみることをおすすめします。
✔︎ 日々の生活には車が必須(車社会)?
✔︎ スーパーや病院は近い?
✔︎ その町で“自分の日常”をリアルに想像できる?
できれば平日と週末の両方に現地を訪れることで、その土地のリアルが見えてきます。
曜日によって街の表情は大きく変わることもあるので、移住後の生活をリアルに想像するためにも、ぜひ意識してみてください。
週末には、観光客が増えたり、商店街がにぎわったり、地域イベントが開催されていたりと、「休日の雰囲気」が見えます。
それによる人の多さは自分にとって快適?なども感じることができると思いますよ。
ちなみに、私の住んでいるのは長野県の地方都市。
私は中学卒業とともに地元を離れており、車事情などは全くわかっていませんでした。
スーパーや生活に必要な施設もそれなりにあり、イメージでは車がなくても生活できると思っていました。
しかし、実際は完全な車社会。
車がないとかなり行動が制限されQOLが大きく下がります。
なかなかこういうところは見えてきずらいので、地域のカフェなどで忙しい時間帯を避けて、店員さんに聞いてみるのも良いのではないでしょうか。
私はUターン移住なので利用しませんでしたが、お試し移住ができる地域もあるので、そういった制度を活用するのもとても有効だと思います。
仕事と収入の見通しは「移住前」に立てておく
「とりあえず移住してから考えよう」としてしまうと、無収入なのに生活費に追われ、想像以上に仕事の選択肢が少なく焦ってしまうというのが現実です。
特に一人暮らしの場合は収入が安定していないと暮らしが成り立ちません。
移住を検討する時点で具体的な働き方をシミュレーションしておきましょう。
✔︎ 地元企業に就職する
✔︎ フリーランスとして働く・小さく起業する
✔︎ 現在の仕事ををリモートワークで継続する
現に私は考えが甘く、就職活動には苦労しました。
地元企業で就職する場合、採用がもらえない以前に求人数が都市部と比べて圧倒的に想像以上に少ないです。
求人数などはネットで調べられるので必ず調べ、可能なら移住前に就活を終えておくのがベストです。
移住後の「理想の田舎暮らし」は、安定した収入の土台の上に成り立ちます!
住まい選びは「利便性」と「人間関係」がカギ
一人暮らしの移住では「安さ」や「大自然の中での暮らし」に憧れて古民家や空き家を選びたくなるかもしれません。 しかし実際は、
✔︎ 冬が寒い
✔︎ 修繕が必要
✔︎ 地域の決まりごとが多い
など、思わぬストレスが生じることも。
古い家は断熱性能が低く、冬は室内でも吐く息が白いほど寒いです。そのため暖房費が高額になります。
また水回りや屋根などの修繕が発生する場合があります。
家賃の安さは魅力ですが、その後さまざまなことに費用が発生する可能性があることも考えておきましょう。
私の場合は冬に水道管が破裂しました。破裂した水道管は古く錆びて脆くなっていました。

人間関係では、無言の監視や地域のローカルルールにストレスを感じる人も多いようです。
また、地区の草刈りや祭りなど、地域行事への参加が暗黙の義務になっていることもあるよう。
住まいを選ぶときは、「家そのものの条件」だけではなく、「周囲の人間関係」や「生活圏の利便性」も含めて考えることが重要です。
やはりここでも可能であれば、移住前に「実際にそこに暮らしている人の声」を聞いてみるのがおすすめです。
コミュニティとの付き合い方は「心地よい距離感」でOK
地方では、地域によって人付き合いの濃さや関わり方が都市部と大きく異なります。
たとえば、
✔︎ 町内会や自治会がしっかり機能していて、「ゴミ出しルール」や「草刈り・祭りへの参加」などが地域の暗黙の了解になっていることがある。
✔︎ 一方で、移住者が多い地域や大学などがある地域では、人の出入りが比較的頻繁にあるため、あいさつをするなど最低限お互い気持ちよく生活できるよう気を遣えば、干渉されずに暮らせるケースもある。
私は、顔を合わせた際のあいさつや、ゴミ出しルールを守りつつも、地域の行事に内側として参加したこともありませんし、それに対して何かを言われたこともありません。
移住支援金・補助制度は「後から調べて後悔しないように」
私自身は支援制度を利用しませんでしたが地域によっては、
✔︎ 引っ越し費用の補助
✔︎ 起業支援金
✔︎ 移住者向け住宅の提供
などの制度を設けている自治体もあります。
私の場合は利用しなかったといいますか…、事前に調べておらず移住支援金があると分かった時には申請期限を過ぎており、いただけませんでした…。
これは実際に失敗を経験した私のアドバイスですが、移住先が決まった後は、その地域にどんな制度や支援があるのかを必ず確認してください。後から「知っていればよかった」と後悔しないためにも、とても重要なステップです。
市町村の公式HPや「移住ポータルサイト」をチェックすることで、思わぬ支援やメリットが見つかるかもしれません。
孤独に備える「自分軸」を持つ

地方での一人暮らしは、良くも悪くもひとりの時間がとても多くなります。
近くに自然を感じる静かな環境で過ごせることは魅力ですが、私も移住して少しの間はその静けさが孤独や不安に変わってしまうこともありました。
だからこそ大切なのは、「誰かとのつながり」ではなく、自分自身を安定させる習慣や視点を持っておくことです。
- 朝のルーティンを作り「一人でも心が整う習慣」をつくる
- 私の場合:毎朝20分の運動&筋トレ、プロテインを飲む、軽く掃除する
- 季節の移ろいや自然の変化を味わう習慣を持つ
- 私の場合:都会では気づけなかった「山の色」「畑のにおい(土と植物と堆肥のにおい)」「田んぼに水がはられた」など、自然に対して向ける感覚を楽しむのも、心が和み孤独を感じなくなります。
- 趣味の時間を大切にする
- 私の場合:散歩、七輪、サイクリングなど、誰かと共有しなくても満たされる趣味を持っておくと、心がぶれにくくなります。
地方での一人暮らしは、「孤独をどう埋めるか」ではなく、「孤独をどう味わうか」が問われるのかもしれません。
【まとめ】移住は人生の「再設計」
一人で地方に移住するという選択は、周りの意見に流されず、自分の意思で暮らしを組み立てていく行動です。
都市の便利さや人とのつながりから距離を置き、
朝の空気、夜の静けさ、季節の移ろいに心を向ける。
そんな日々には、シンプルだけど深い豊かさを感じます。
もちろん、すべてがうまくいくわけではありません。
慣れない環境に戸惑ったり、時に孤独を感じることもあります。
でもその分、自分で選んだ土地、自分でつくる日常には、「納得感」があります。
焦らず、無理せず、今の自分にとって「ちょうどいい暮らし」を探してみてください。
地方移住は、何かを捨てる選択ではなく、これまでを踏まえた、これからの自分を大切にするための一歩になります。
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